「おいしいもの食べたいね」
「食べたい」
という訳で夕方16時から渋谷にあるビアパブでムール貝のワイン蒸し、牛頬肉のギネス煮込み、帆立となすとズッキーニのミルフィーユを食べる。特にムール貝は絶品で、食べさせてあげたい人の顔がいくつも浮かんだ。
胃を壊して前日まで吐いていたことなど忘れてベルギービールでのどを潤し、ようやく日が落ちるころにはもうすっかり満足。友人とふたりでにこにこしながら店を出る。
「早い時間からおいしいもの食べるっていいなー」
「まだ18時だよー」
次のお店(予約済み)まで時間があったので、代官山をお散歩。(食べる、散歩、食べるのコンボって素晴らしい)
お腹を空かせるつもりで散歩をしていたのに、途中でものすごくいい匂いがして歩みを止める。一緒に居た友達も、何にも言ってないのに同時に止まる。

「発酵バタークレープってなに?」
「知らない、でもめちゃくちゃいい匂い」

よく分からないけどおいしそうだ!
この時点で気持ちはもう8割傾いていたのだけれど、メニューにバター&バニラシュガーのクレープがあるのを見つけて、嬉しすぎてぴょんぴょん跳ねる。(バナナやチョコレートや生クリームをたっぷり入れたクレープよりも、バターとお砂糖だけのシンプルでおいしいクレープが好き)

「バター&バニラシュガー、くーださいなー♪」
「こちらシンプルなクレープですが、トッピングはされますか?」
「いや、バターとバニラシュガーだけのクレープが大好きなのでそのままで」
何もそこまで説明しなくても良いんじゃないか、と自分でも思いながらオーダー。
焼き上がりを待つ間にやっと店名を確認。

「
spoon&co. DAIKANYAMA(スプーンカンパニー代官山)」というお店らしい。
ほどなくして熱々のクレープを渡される。

ひとくち、ぱくっ。
円の外側の方はさくさくで、内側の方はしっとりしてて、バターとお砂糖は優しくていい匂いだし、あつあつだし、もう何も言うことはない。
しばらく無言で幸せを噛み締める。
「30秒前に受け取ったよね?」
「うん」
「なんでもう無いの?」
「あ、ほんとだ、もうない!」
それくらいおいしかった。
世の中には目の前でフランベしてくれてフォークとナイフで食べるクレープなんかもあるけれど、やっぱりクレープは素朴がいちばん、奇を衒いすぎるよりも生地の美味しさの方が大事だよね。
そんなクレープ談義をしながら、本来の目的地であった
恵比寿のまんぷくへ。
わざわざお店をはしごした目的は
和牛トロにぎり!

焼肉のお店に、焼肉以外のものを目当てにして行くという贅沢。泣くほど美味しかった。
やっぱりおいしいものは、すごく単純に人を元気にするなぁ、と実感。
おいしいものをひたすら食べながら、「確かにハゲでデブだけど、おいしいものをいっぱい食べさせてくれたの、それってけっこう『男の心意気』のようなものを感じない?」という
マゼンタ100の一節を思い出していた。そんな週末。
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